稚拙美と言い張りたい

先日ひとまず完成した刺しゅう。
100均のシールタイプの5mm厚スチレンボードに張ってパネルにしてみた↑のだが、どうしても気に入らず、剥がしてしまった……。
こういう稚拙な作品こそちゃんとしたフレームに入れてやらないと、作品として完成しないというか(?)なんというか。映えないなー。
ところで、わたしは『稚拙』をかならずしも悪い意味でとらえていなくって、たとえば『稚拙美』ということばが好きだったんだけど、この稚拙美というのはもともとarchaic beautyという英語に対する訳語らしい。
彫刻や仏像なんかにときどきアルカイック・スマイルなんて言い方がされたりするが、このアルカイックとはそもそもなんぞやということで、ネットで調べてみると「古い,古風な」とのこと。
つまりarchaicそのものに日本語の『稚拙』の意味はない。
わたしは『稚拙美』の文字どおりに見たまんま、つたなさのなかにうつくしさや心地よさを見いだすことだとおもっていたけど、厳密には意味がちがうかもしれない……。
とにかく、わたしはじぶんの作るものは稚拙だとおもっていて、でもそれはかならずしも悪いことじゃないとおもう……
……いや、うそ。
それはただ単にすばらしいものを作れないことへの言い訳かもしれない。あるいは怠惰でもあるかも。わたしは稚拙美ということばに甘えてあぐらをかこうとしているんじゃないか??
ほんとうは……わたしは迷っている。
ほんとうはもっとちゃんとしたいじぶんがいて、弱さや未熟さを受け入れきれないじぶんがいて……。
うーん。
だけど病気(うつ)と障害があって、どうしてもすごいものは作れなくて、だからわたしは言い訳をしたかった。
これは稚拙美なんです!!!!って言い張りたかった。
つたないけど、これはいわゆる稚拙美と呼ばれるたぐいのもので、だからとにかく褒めて!!!ってことでもあった。
これでもがんばったんです!!!って言いたい。だから評価して!!!ってこと。
ううん、なんだろう。なんというか。
ああもう。
